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2015年5月25日 月曜日

マンションと東洋ゴム免震不正問題

みなさん,こんにちは,弁護士の桑田です。
 今回のテーマは東洋ゴムの免震不正問題です。
 皆さんもご存じのとおり,最近,東洋ゴム工業株式会社が,免震材料の性能を偽装していたことが判明したと発表し,各種報道でも大きく取り扱われています。

 そして,通常,免震材料は大型物件で使用されますので,庁舎や病院と並んで,マンションも免震ゴムの納入先の典型例となるのです。そこで,今回は免震不正問題のマンションにおける影響を考えてみたいと思います。

 まず,請求の根拠となるのが,瑕疵(かし)担保責任と呼ばれる責任に基づく請求です。瑕疵担保責任とは,通常容易には見つけられない欠陥について,請負人や売主が負う責任です。民法上にも規定がありますが,平成12年4月から「住宅の品質の確保の促進等に関する法律」いわゆる品確法が施行がされ,新築建物については,民法の特例である品確法による瑕疵担保責任に基づく請求を行うことができます。

 品確法によると,買主は,売主に対して,欠陥の補修や損害賠償が可能であるとされています。そして,マンションの場合,免震ゴムが設置されている基礎部分は共有部分とされているため,管理組合が売主との間で瑕疵担保責任に基づき補修等の請求を行うことになります。
 
 また,現在はどのマンションに不適合な免震ゴムを納入したのか公開は控えられているようですが,公開により個々の専有部分の資産価値が下落することが考えられます。あるいは,実際は耐震性能に問題がなかったとしても,東洋ゴムの免震材料ということで風評被害が発生する可能性も否定できません。このような場合に不法行為に基づく損害賠償などを請求することも検討しなければならないでしょう。

 私は,現在,東京弁護士会住宅紛争審査会の審査委員の委嘱を受けているため,今後,この問題に対応することも予想されます。
 マンションの管理組合の理事の皆様や区分所有者の皆様もお困りの際にはご遠慮なくご相談下さい。

その他のマンショントラブルについては以下をご参照下さい。

 マンショントラブル全般は
http://www.kuwata-lawoffice.net/manshon/
マンション住戸の目的外使用は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2013/03/post-47-466985.html
 マンション内の騒音問題は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/05/post-7-272598.html
 マンション内の水漏れ事故については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/08/post-31-328055.html
 マンション内での誹謗中傷については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-1-342591.html
 管理組合の理事長を解任する方法については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-25-310679.html
 マンションの構造などに欠陥がある場合の損害賠償は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-1-307678.html 
 マンション管理士については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2013/07/post-51-568373.html
 マンション管理組合や理事会と管理会社の間のトラブルについては
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2014/03/post-55-779280.html
 マンションの理事長や理事の義務違反については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2015/01/post-61-1065852.html
 マンションのペット問題については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2015/01/post-60-1065831.html

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

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