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2020年11月19日 木曜日

トラブルメーカーへの対応と標準管理規約の態様

皆様,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,マンション内のトラブルメーカーへの対応の仕方について,標準管理規約にどのように記載されているか,です。
特に今回は,標準管理規約66条と67条3項の関係について,説明したいと思います。

66条には,区分所有者や占有者がいわゆる共同利益背反行為を行った場合などに,他の区分所有者全員は,その行為の停止,専有部分の使用禁止など,法的措置を含めた一定の請求ができることを規定しています。
区分所有法57条から60条までを確認する規定です。
67条には,1項2項で法令や規約に違反した場合などに,理事長が是正勧告,指示,警告できることなどが規定され,3項で,理事長が法令などに違反した行為の差止など必要な法的措置ができることを規定しています。
つまり,66条も67条3項も,マンション内のトラブルメーカーに対する管理組合側の法的な措置を定めているのです。
では,どこにどのような違いがあるのでしょうか。

まず,対象となる者が違います。66条区分所有者と占有者のみが対象ですが,67条は区分所有者,占有者のほかそれらの同居人も含まれます。
次に,行為の対象が違います。66条共同利益背反行為が対象となっていますが,管理規約や細則に違反しても必ずしも共同利益背反行為には該当しません。ですが,67条3項規約や細則の違反,敷地や共用部分での不法行為などもその対象としています。
また,手続も違います。66条では裁判を起こすのにその都度総会決議が必要ですが,67条の場合は総会決議が必要でなく理事会決議で足ります。もっとも,訴訟提起の公平性から,67条による場合も総会決議を経ておくことが望ましいでしょう。

このように,67条3項は66条より広範な内容を規定し,不適切なトラブルメーカーの行動に対し,より広く法的な対応ができるようにしています。

もっとも,実際に訴訟を提起するとした場合,総会でどのような議決を得ればよいのか,また,どのように手続を進めればよいのかは一般の方には容易には判断できないと思います。
お困りの際には弁護士桑田までお気軽にご相談ください。
どのような方法がベストか,一緒に考えていきたいと思います。

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

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