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2012年5月31日 木曜日
セカンドオピニオンの有効活用法
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回の話題は「すでに裁判等を弁護士に委任しているが,他の弁護士の意見も聞きたい」といういわゆるセカンドオピニオンの有効な活用方法についてです。
以下は,弁護士のある意味では本音の部分を自戒を込めて記載したところもありますが,ご一読下さい。
相談者からセカンドオピニオンとしての法律相談であることを知らされた場合,弁護士は以下のように感じることがあります。
まず,「この相談者は自分の依頼者になる可能性は非常に低い,したがって,経済的なメリットは期待しにくい」ということです。
法律案件はたいてい複雑で,説明に長時間を要しますし,委任すればそれなりの金額の着手金をすでに支払っています。
ですから,セカンドオピニオンの弁護士に好感を持っても,前の弁護士を変える労力まではかけないのが普通でしょう。
また,「この相談者は,現在の弁護士について不信感を持っているはずだ」とも感じます。
依頼している弁護士に信頼感を寄せていれば,わざわざセカンドオピニオンを聞きに来るはずがないからです。
そうすると,「この相談者は,今の代理人ともめているから感情的になっている可能性もある」と用心するのもご理解いただけるのではないでしょうか。相談者も自分に都合の良い意見を聞きたいばかりに,自分に不利なことは(無意識に)言わず,有利な事情しか話していないケースがあることも否定できません。
このように「この相談者はお金にならない。しかも現在依頼している弁護士と方針でもめていて,感情的になっているかも」と考えがちになってしまいます。しかも,セカンドオピニオンの弁護士はせいぜい1時間程度の相談です。委任を受けて代理人になっている弁護士の方が事情に通じているはずですから,より適切な意見を出すことも簡単ではありません。ですから,弁護士の中には相談を適当に流して,相談者に都合の良い意見を述べて,相談料だけもらって終わってしまう弁護士もいないわけではありません。
しかし,相談を受け流されて適当な回答をもらうのでは,セカンドオピニオンの意味が全くありません。
では,どのようにすればセカンドオピニオンを有効活用できるでしょうか。
まず,弁護士は友人,知人に紹介してもらうことが考えられます。弁護士も人の子ですから,自分の知り合いから紹介された相談者に適当な回答はしにくいものです。
一方,相談する側は,決して感情的になるべきではありません。依頼している代理人や相手方への不満を説明することは一向にかまいませんが,怒りの感情が先に立つと弁護士も答えにくくなります。それに,自分に有利な事情だけでなく,「意識して」不利とされる事情もご説明下さい。そうしないと,適正な回答は得られません。
では,私のセカンドオピニオンとしての活動はどうでしょうか。
私自身としては,真摯に対応してきたつもりですし,おざなりな回答をしたこともありません。
「無理なことは無理」と説明して,できないことの安請け合いは絶対にしていません。
ですが,私の相談の善し悪しばかりは,これまでの相談者の方の評価に委ねるしかありませんね(^_^;)
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