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2021年11月11日 木曜日

クレーマー住民への具体的対処法(立入拒否篇1)

皆様,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,クレーマー住民が住戸への立入りを拒否してきた場合の対応です。
クレーマー住民は「住戸内は自分の所有物であって,中には立ち入らせない」といった言い訳をして立入りを拒否することがあります。

そこで,今回は,消防点検を例に,立入り拒否の対応への前段階として,消防点検による立入りの根拠について,説明したいと思います。
まず,消防法8条は,一定の防火対象物の管理者に対して,防火管理者を選任して,消防設備の点検をさせるように求めています。
そして,消防法17条の3の3において,一定の防火対象物の消防用設備等の点検を行うことが規定されています。
消防法施行令別表第一の(5)「共同住宅」つまりマンションとあるところ,施行令第36条第2項により,別表第一の(5)に記載のある防火対象物すなわちマンションに消防法第17条の3の3が適用されることが規定されています。
ですので,多くのマンションでは防火管理者が消防用設備の点検を実施しなければなりません。
実際には,専門の業者にお願いすることが一般的でしょう。

点検の内容や方法は,平成16年消防庁告示第9号に記載されています。
機器点検は半年に一度総合点検は1年に一度という内容は聞いたことがあるかもしれませんが,これは消防庁告示に基づくものです。
火災報知器やスプリンクラーが正常に作動するかどうか,避難ハシゴが適正に使用できるかどうか,といった点検を行うことになります。
そして,その対象には専有部分も含まれますので,専有部分に立ち入っての消防点検が必要になるということになります。
具体的な点検方法については,消防庁の告示等で定められており,点検要領に詳細が説明されています。
消防庁のホームページに詳しくまとめられたページがありますのでご参考にしてください(https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/post-1.htmlhttps://www)。

当然,何年も専有部分の消防設備の点検が受けられないと火災が発生した場合に適切に作動しない可能性があり,マンション全体にとって不利益となります。
そのため,区分所有者が専有部分への立入りを拒否した場合でも,管理規約上,理事長による立入りを認める条項が用意されているのが一般的です。
どうしても立入りを認めない場合には,規約に基づく立入りを検討することになります。

クレーマー住民が立入りを拒否した場合の具体的な対応については,改めて説明します。

クレーマー住民への対応には,管理組合,理事会の方のご苦労も多いと思います。
お困りの理事長,理事,管理会社の方は当職にお気軽にご相談ください。

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