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2012年7月5日 木曜日
失敗の本質
こんにちは,桑田です。
今回のテーマは最近読みました本についてです。
プロフィールの趣味の欄に「読書 年間100冊近く読破しています」と大見得を切ってしまいました(^_^;)
というわけで,今回は趣向を変えてみましたので,お気軽にお読み下さい。
「失敗の本質」は,第2次世界大戦における日本軍の失敗の「本質」をつきとめようとした古典の名著です。昭和59年に発行された研究書ですが,最近,エッセンスを記載した「超入門『失敗の本質』」が売れ行き好調となり,再度,脚光を浴びています。
「失敗の本質」の中で,日本軍敗戦の原因分析がなされています。
たとえば日本軍内に「戦略が・・・多分に情緒や空気が支配する傾向」という情緒的人間関係が気づかれたこと,「情報,諜報の活用という点では,米軍に比べ決定的に劣っていた」という情報の軽視,「失敗した戦法,戦術,戦略を分析し,その改善策を探求し,それを組織の他の部分へも伝播していくということは驚くほど実行されなかった」という学習の軽視などが挙げられています。
そして,「日本軍の組織原理を無批判に導入した現代日本の組織一般が・・・危機が生じたときは,大東亜戦争で日本軍が露呈した組織的欠陥を再び表面化させないという保証はない」とも書かれています。
昨年,東日本大震災,原発事故という「危機」が生じました。
昨日の原発事故調査委員会の報告書では「明らかに人災」と指摘され,その理由として,規制当局と東京電力の立場が逆転し,
地震・津波対策を立てる機会が過去何度もあったのに先送りしてきたと指摘されています。まさに,情緒的な人間関係や学習の軽視と言われても仕方がないのではないでしょうか。
自戒の意味も込めて,とても考えさせられた一冊でした。
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