2014年3月10日 月曜日
マンション管理組合総会の出席資格
みなさん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは「マンションの管理組合の総会に出席できるのは誰か」という問題です。
大きく分けて,議決権行使者以外の出席の場面と,代理人による議決権行使の場面があります。
まず,総会に限らず会議の出席資格者は「その会議で議決権を行使できる者」というのが大原則です。
マンションの総会は共有部分の維持管理などマンション全体の運営方針を決する場ですから,マンションに関係ない者が出席することは出来ないのです。
たとえば区分所有者の友人が「議決権は行使する権限はないが,口べたの区分所有者の代わりに意見を言うためだけに出席する」ということは認められません。
ただし,管理規約上で「組合員のほか,理事会が必要と認めた者は,総会に出席することができる」という記載がよく見られます。総会運営を手伝うマンション管理業者やマンション管理士などが出席する場合です。総会の紛糾が予想される場合に弁護士がこの規定で出席することもあります。
また,区分所有法44条1項は「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は,会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には,集会に出席して意見を述べることができる」と規定され,管理規約でも同内容の規定が置かれていることが通常です。占有者の典型例は賃借人であり,たとえば,ペット飼育禁止の規約を定める場合にペットを飼育中の賃借人が総会に出席して意見を述べるケースなどが考えられます。
このように,「理事会が必要と認めた者」と「会議の目的に利害関係を有する占有者」は例外的に総会に出席することが認められています。
次に,区分所有法39条2項は,「議決権は・・・代理人によって行使することができる」とあります。そして,代理人について限定はされていませんので,原則として代理人資格に制限はありません。ですが,実際の管理規約では代理人資格を「その組合員と同居する者,他の組合員もしくはその組合員と同居する者」などに限定する例が多く見られます。これは,総会に利害関係のない第三者が代理人名目で出席し総会を混乱させることを防止する目的です。もっとも,組合員の意思を総会に適切に反映させられるため代理人資格を制限しすぎないよう配慮することも必要です。
このようなトラブルを独力で解決することはとても大変であろうと思われます。
私にお気軽にご相談下さい。
その他のマンショントラブルについては以下をご参照下さい。
マンショントラブル全般は
http://www.kuwata-lawoffice.net/manshon/
マンション住戸の目的外使用は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2013/03/post-47-466985.html
マンション内の騒音問題は
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マンション管理組合や理事会と管理会社の間のトラブルについては
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|2014年3月5日 水曜日
管理組合と管理会社とのトラブル
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは「管理会社とのトラブル」についてです。
分譲マンションの場合,管理組合が自主管理している場合もありますが,管理組合がマンションの管理事務を管理会社に委託している場合も多々見られます。
委託を受けた管理会社が適切に管理業務を行う場合には問題がないのですが,必ずしも全ての管理会社が適切に業務を行っているわけではなく,中にはあまり評価の良くない管理会社もあるようです。
それでは,具体的にはどのようなトラブルが多いのでしょうか。
たとえば,毎月多額の管理委託料が発生しているのに,その内訳が不明で,問い合わせても満足に答えてくれないとか,管理費の滞納が発生しているのに督促等の対応を適切に行っていない場合などが挙げられます。全く業務を行わない場合や手抜きがひどい場合には契約を解除したり,場合によっては損害賠償を請求することも考えられなくはありません。
ただし,実際には「対応には不満が残るものの,法的に解決つまり契約解除や損害賠償請求するほどではない」というケースが多いように思われます。そのような場合には,対応の改善を申し入れたり,マンション管理士や弁護士と顧問契約を結んで管理会社の業務に手抜きがないか見てもらうという方法があります。それでも改善が見られない場合には,契約期間満了に伴い更新せずに別の管理会社に切り替えることも検討しなければなりません。
いずれにせよ,管理組合や理事会にとっては大きな労苦となりますから,管理会社を選ぶときには,複数の会社から説明をきくなど慎重な対応が必要となります。
その他のマンショントラブルについては以下をご参照下さい。
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|2014年3月4日 火曜日
誰が相続人になるのか
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今日のテーマは「相続人の範囲」です。遺産分割などで「自分が相続人に当たるかどうか」という質問は
とてもよく受ける質問の一つです。簡単なようでいて,意外と難しい相続人の範囲について説明します。
ただし,遺言がある場合は原則として遺言に従うので,以下は遺言がない場合を想定しています。
まず,亡くなった方の配偶者(妻または夫)は必ず相続人になります。
次に子供や孫がいれば,子供,孫が相続人になります。
この場合の法定相続分は,配偶者が2分の1,残りの2分の1を子供などはその人数で等分します。
子供や孫がいなければ,父母や祖父母が相続人になります。
この場合の法定相続分は,配偶者が3分の2,残りの3分の1を父母などがその人数で等分します。
子供も孫も父母も祖父母もいないとなれば,亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になります。
この場合の法定相続分は,配偶者が4分の3,残りの4分の1を兄弟姉妹がその人数で等分します。
そして,異父母の場合は同父母の兄弟姉妹の2分の1になります。
ですから,たとえば,Aさんが亡くなり妻はいるが子供も孫も両親も祖父母もすでに亡くなっているという場合,
Aさんの兄弟姉妹が相続人となります。Aさんと父親は同じだが母親は別人という異父母の兄弟姉妹でも,
同父母の兄弟姉妹の2分の1ではありますが相続分があるのです。
このほかにも相続人の範囲についてはいろいろな場合分けが必要になってきます。
また,別の機会にお話ししたいと思います。
その他,遺言,相続全般は
http://www.kuwata-lawoffice.net/souzoku/#a02
未成年者の相続と特別代理人については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-33-343015.html
遺言執行者については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-27-314543.html
相続分と遺留分については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/04/post-4-250030.html
相続準備については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-36-347542.html
自宅の相続については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-20-302195.html
全員遺言時代については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-20-302195.html
をご覧下さい。
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