マンショントラブル,中小企業の企業法務,相続などの法律相談は新宿御苑前の弁護士桑田にお任せください。

マンション問題など、お気軽にご相談ください。

ホームページを見たとお伝えください。TEL:03-6273-0012 FAX:03-6273-0013 受付時間:月~金 10:00~18:00 定休日:土曜・日曜・祝日
お問い合わせフォーム

トピック

2012年7月4日 水曜日

自宅相続 共有はリスク

こんにちは,弁護士の桑田です。
 本日のテーマは,自宅を含めた不動産の相続方法です。
タイトルは,今日の日経朝刊の記事から抜粋しました。
自宅の相続がリスクとなるのはどうしてでしょうか。

 亡くなった方の遺産が自宅の場合の分け方には,①自宅を売って代金を相続人で分ける,②相続人の一人が自宅を相続し,他の相続人に現金を支払う,③相続人全員で共有する,などの方法があります。
ですが,①は,相続人の一部が亡くなった方と自宅で長期間同居していたとか先祖伝来の土地建物であるような場合には売却したくないと思うことがあります。②の場合も,自宅を相続する方に相当の資金がないと他の相続人が納得しないでしょう。
 そのため,何となく③のように自宅を共有してしまうこともあります。ですが,その後に相続人も亡くなってしまうと,今度は共有状態がどんどん細分化され,根本的な解決がよりいっそう困難になってしまうのです。

 このような事態を避けるためにも,まだ被相続人が存命のうちに遺言を作成しておくことが大切です。
「誰に自宅を残すのか決める」,「他の相続人に不満が残らないように預貯金で手当をする」『遺言の付言で,なぜ自宅を○○に残すことにしたのか自分の気持ちを説明する」など,トラブル回避のための方法を取ることができるのです。

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年6月28日 木曜日

高齢者の財産 誰に託す

こんにちは,弁護士の桑田です。
今日の話題は高齢者の財産の管理です。
「高齢者の財産 誰に託す」というタイトルは6月27日付日経新聞の記事の掲題です。

高齢化が進展する現代において,相続や遺言とともに,高齢者本人の財産管理の重要性も高まっています。
ご自分で判断し適切に管理できている間は良いのですが,認知症などでどうしても管理に不備が生じることがあります。
では,高齢者の財産管理について,どのような法的な対策が用意されているでしょうか。

一番有名なのは,いわゆる成年後見ではないでしょうか。
成年後見は,高齢者の判断能力が衰えた場合に,高齢者本人やその親族が裁判所に成年後見を申し立てるという手続になります。
 また,高齢者の方の中には,まだ判断能力のあるうちに「誰に」「どのような財産管理を」依頼するか,決めておきたいという方もいるでしょう。その場合には,任意後見契約を利用することができます。自分の希望する人物を任意後見人とすることができ,委任する事項も契約で決めることができます。手続としては,公証人の作成する公正証書で締結する必要があります。判断能力が不十分な状況に至った場合に家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立を行い,選任されると任意後見契約の効力が発生します。
 ですから,任意後見人に就任予定の方は,いつ高齢者が「判断能力が不十分な状況」に至ったと判断して家庭裁判所に申し立てるのか,に注意しないといけません。申立が遅くなると,契約の効力が発生する前に高齢者の財産が散逸してしまう可能性があるのです。
 もし,親族がいないなど適当な任意後見人の候補者が見当たらない場合には,利害関係のない専門家である弁護士に依頼することも考えて良いと思います。
 なお,判断能力はまだ十分にあるが病気や体調不良などで財産管理を依頼したいという場合には,親族や弁護士などと財産管理契約を結んで,財産管理を任せる方法もあります。

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年6月7日 木曜日

全員遺言時代(特に東京に不動産をお持ちの皆様)

こんにちは,弁護士の桑田です。
本日は,6月6日の日経新聞朝刊の気になる記事「全員遺言時代 間近へ」についてです。

多くの資産をお持ちのいわゆる富裕層の方が相続対策で遺言を作成することはよく見受けられます。
ですが,この記事では富裕層でない方を含む「全員が遺言を作成する」時代が近いというのです。
記事の中には「財産が少ないからもめないと思っている人こそ要注意」とあります。どうしてでしょうか。
実は遺産分割事件は年々増加し,平成13年には6000件強だったのが,平成22年には8000件近くになっているようです。
記事によると,遺産分割事件の対象となる遺産額は5000万円以下が実に74%で,中でも1000万円以下だけで31%にも上ります。相続争いと遺産の多い少ないは関係なく,遺産が少なくともトラブルになっているのです。
では,遺言はどのように作成すればよいのでしょうか。
もちろん,自分で作成することもできますが,自筆遺言の有効要件は厳格に定められています。
公証人のお墨付きのある公正証書遺言がお勧めですし,公証人との橋渡し役で弁護士が役に立つ分野でもあります。
是非ご相談下さい。
なお,日経新聞の次のページに「えっ,私にも相続税?」という記事がありました。
「小規模宅地等の特例」の適用が狭くなっていますし,相続税の増税が国会で審議されています。
これまで相続税は全国で4%程度の方しか納めていなかったのですが,法案が成立すると,東京国税局管内では40%以上が課税ラインにかかるとの見方もあるようです。
節税対策からも遺言の作成は必要になる時代が到来してしまったようです。
皆様も,遺言の作成を検討されてはいかがでしょうか。
 その他,遺言,相続全般については
http://www.kuwata-lawoffice.net/souzoku/
 遺言執行者については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-27-314543.html
 未成年者の関係する遺産分割については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-33-343015.html
 をご覧下さい。

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年5月31日 木曜日

セカンドオピニオンの有効活用法

皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回の話題は「すでに裁判等を弁護士に委任しているが,他の弁護士の意見も聞きたい」といういわゆるセカンドオピニオンの有効な活用方法についてです。

以下は,弁護士のある意味では本音の部分を自戒を込めて記載したところもありますが,ご一読下さい。

相談者からセカンドオピニオンとしての法律相談であることを知らされた場合,弁護士は以下のように感じることがあります。
まず,「この相談者は自分の依頼者になる可能性は非常に低い,したがって,経済的なメリットは期待しにくい」ということです。
法律案件はたいてい複雑で,説明に長時間を要しますし,委任すればそれなりの金額の着手金をすでに支払っています。
ですから,セカンドオピニオンの弁護士に好感を持っても,前の弁護士を変える労力まではかけないのが普通でしょう。

また,「この相談者は,現在の弁護士について不信感を持っているはずだ」とも感じます。
依頼している弁護士に信頼感を寄せていれば,わざわざセカンドオピニオンを聞きに来るはずがないからです。
そうすると,「この相談者は,今の代理人ともめているから感情的になっている可能性もある」と用心するのもご理解いただけるのではないでしょうか。相談者も自分に都合の良い意見を聞きたいばかりに,自分に不利なことは(無意識に)言わず,有利な事情しか話していないケースがあることも否定できません。

このように「この相談者はお金にならない。しかも現在依頼している弁護士と方針でもめていて,感情的になっているかも」と考えがちになってしまいます。しかも,セカンドオピニオンの弁護士はせいぜい1時間程度の相談です。委任を受けて代理人になっている弁護士の方が事情に通じているはずですから,より適切な意見を出すことも簡単ではありません。ですから,弁護士の中には相談を適当に流して,相談者に都合の良い意見を述べて,相談料だけもらって終わってしまう弁護士もいないわけではありません。

しかし,相談を受け流されて適当な回答をもらうのでは,セカンドオピニオンの意味が全くありません。
では,どのようにすればセカンドオピニオンを有効活用できるでしょうか。
まず,弁護士は友人,知人に紹介してもらうことが考えられます。弁護士も人の子ですから,自分の知り合いから紹介された相談者に適当な回答はしにくいものです。
一方,相談する側は,決して感情的になるべきではありません。依頼している代理人や相手方への不満を説明することは一向にかまいませんが,怒りの感情が先に立つと弁護士も答えにくくなります。それに,自分に有利な事情だけでなく,「意識して」不利とされる事情もご説明下さい。そうしないと,適正な回答は得られません。

では,私のセカンドオピニオンとしての活動はどうでしょうか。
私自身としては,真摯に対応してきたつもりですし,おざなりな回答をしたこともありません。
「無理なことは無理」と説明して,できないことの安請け合いは絶対にしていません。
ですが,私の相談の善し悪しばかりは,これまでの相談者の方の評価に委ねるしかありませんね(^_^;)

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年5月31日 木曜日

会社側から見たパワハラ対策

皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今日は,5月29日に厚生労働省から発表されたパワハラ相談についてです。
各報道によると,昨年,全国の労働局に寄せられたパワハラの相談は4万6000件で過去最多とのことです。
相談件数は,9年前と比べると実に約7倍にも増えたのだそうです。
パワハラ問題の深刻化が伺える結果と言って良いと思います。

ところで,パワハラはパワーハラスメントの略語ですが,具体的にはどういうことでしょうか。
厚生労働省の定義によると,「同じ職場で働く者に対して」「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に」「業務の適正な範囲を超えて」「精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とのことです。
わかりやすい例としては,上司が部下に対して指導とは言えないような行き過ぎた暴言が繰り返した場合でしょう。
厚生労働省の示した具体例も,暴行,傷害,暴言,過大な仕事を押しつけることなどが挙げられています。

パワハラ問題はますますクローズアップされています。ひとたび会社の中で発生すると,被害者への適切な対応や賠償が必要となることはもちろんですし,社外からの評価は低下し,社内の士気も落ち込み,会社にとって何一つ良いことはありません。
そこで,会社側も適切な対応を取ることが求められています。
事前の予防策としては,就業規則の中にハラスメント防止のための規定を盛り込むこと,社員教育を行うこと,相談窓口を設けることなどが考えられます。
また,実際にパワハラが起こってしまった場合には,社内調査,上司に謝罪させる,上司を懲戒処分とする,被害者に損害賠償をするなどの対応が考えられます。

ですが,私が一番大切だと思うことは,トップの姿勢です。
パワハラの被害者は,(たとえて言うなら)上司から受けた被害について,更にその上司に報告するわけです。
ですから,会社の経営陣が「パワハラなんてたいしたことではない。大げさだ」という姿勢では,相談窓口を設けても被害者が相談する気にはなりません。
会社トップが「我が社ではパワハラは絶対に許されない」という強い決意を持ち,社内外に表明することがとても大切なことなのです。

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年5月18日 金曜日

大相続時代

 こんにちは,弁護士の桑田です。
 最近,日経新聞夕刊に「大相続時代」という連載が掲載されています。高齢化が進展した日本がこれから大相続時代に突入することは明らかです。そこで,日経新聞も相続に焦点を当てた特集を組んだのでしょう。

 その中に,とても気になる記事がありました。
 相続の相談相手を調査した結果,39.3%が「誰にも相談していない」,51.4%が「家族・親族に相談した」というもので,弁護士への相談は実に3.3%しかありませんでした。
 日経新聞の調査では相続額の平均は3172万円でしたから,3000万円以上の遺産がありながら,約4割の方が誰にも相談せず,弁護士への相談にいたっては100人に3人しかしていないということなのです。
 「誰にどの遺産を残すか」は切実な問題です。たとえば,「相続人の所有する建物に子供の一人が住んでいる場合,相続人の死後も住み続けられるようその子供に建物を相続させる」とか「長年相続人を介護してくれた子供に少し多めに遺産を分配する」など,遺言を利用すれば相続人の希望を反映させた相続が可能なのです。そして,このような遺言の作成は弁護士の典型的な業務であるにもかかわらず,実際には3%しか利用されていません。
 弁護士への相談が相続対策にとても役立つことは間違いありません。それなのに3%しか利用されていないのは,弁護士側のアピール不足が大きな原因と考えています。アクセスしやすい弁護士を目指すことの大切さを痛感させられた記事でした。今後も弁護士業務についての理解を深めてもらう努力を怠らないよう頑張りたいと思います。         

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

2012年2月29日 水曜日

弁護士報酬ってどうやって決まるの?

初めまして,弁護士の桑田です。
 トピックでは時々の世間の話題について法律的にどのように見るか,私の見方を紹介していく予定です。
最初のトピックは弁護士報酬の決め方です。「その時々の話題」ではありませんが,委任の際に必ず出る質問ですし,依頼者の皆様にとってとても興味のあるトピックという意味で,最初の題材として取り上げました。
なお,実際には細かい規定があり,以下はイメージをつかむために概要説明とご理解下さい。

 まず,弁護士費用には,結果にかかわらず委任当初に支払われる着手金と,事件解決の後に支払われる報酬の2種類があります。 その計算方法は「その事件の対象が経済的利益かどうか(つまりお金で解決できるか)」で異なります。
 たとえば,「貸したお金の返還請求」や「交通事故の損害賠償」はお金で解決するしかありませんので,経済的利益の一定割合が着手金,報酬となります。「貸した300万円を裁判で回収して欲しい」という依頼であれば,経済的利益の8%つまり24万円(+消費税)が着手金です。首尾良く300万円を回収できた場合にはその16%つまり48万円が報酬となるのが原則です。このパーセンテージは経済的利益の額が大きくなるにつれて低減します。私のホームページの「弁護士費用」の欄(http://www.kuwata-lawoffice.net/hiyou/  )に詳細を掲載しておりますので,興味のある方はご覧いただけると幸いです。
 一方,離婚調停の申立や刑事弁護などは「経済的利益」を基礎とすることが出来ません。このような場合には,たとえば離婚調停の申立は着手金30万円から50万円というように予め一定の幅で着手金,報酬を決めています。
 ところで,このような計算式はどのようにして決められたかご存じでしょうか。実は平成16年3月までは日本弁護士連合会が報酬基準を定めていて,どの弁護士もその基準に従っていました。そのため報酬基準が自由化された現在でも,おおむね旧基準に準拠して報酬を決定している法律事務所がほとんどなのです。
 私も原則としては旧基準に従っていますが,たとえば「当初の1時間の相談は無料」として依頼者の皆様のアクセスしやすいように改善している箇所もあります。
 もしご不明な点がございましたら,ご遠慮なく私にご連絡頂ければと思います。
 

投稿者 弁護士 桑田 英隆 | 記事URL

申し訳ございません。WEBでお伝えできる情報には限界がございます。 問い合わせバナー