弁護士桑田の活動日誌
2021年7月6日 火曜日
高次脳機能障害と後遺障害の等級(後編)
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,前回に引き続き,高次脳機能障害に対する後遺障害等級の申請方法です。申請先は自賠責保険会社となります。
前回も記載しましたが,加害者側の任意保険会社の方にお任せする方法と,被害者自ら請求する方法があります。
前者の方が楽なのは明らかですし,かなりの部分,この方法で行われています。
ですが,加害者側保険会社としては後遺障害が認められないほうが支払いが安くなりますので,申請の際に保険会社の意見書を付けているようです。
ですので,弁護士が代理人である場合などでは,ケースによっては被害者請求という方法を取り,加害者側の任意保険会社を介さない申請をすることがあります。
私が実際に行ったのも被害者請求でした。
後遺障害の申請は書面主義が採用されていますので,必要な書類をそろえること,その内容を充実させることが大切です。
事故証明書や通常の診断書も提出しますが,とりわけ重要なのが後遺障害診断書です。
高次脳機能障害の場合は,後遺障害診断書に付随して,神経系統の障害に関する医学的所見,日常生活状況報告,その別紙としての近親者の状況説明,頭部外傷後の意識障害についての所見の提出が求められます。
これは,いずれも重要ですし,その記載の内容については,医師に対して記載方法についてお願いをしたり,情報を提供することが必要です。
例えば,事故前や退院後の日常生活状況報告は医師には不可能であり,近親者が対応するしかありません。
このように適正な等級を認定してもらうには,医師に対する働きかけや適正な情報の提供など,被害者側が多大な努力をする必要があることにご注意ください。
とはいえ,一般の方に書類をそろえたり記載の内容を検討することは,かなり難しいことだと思います。
高次脳機能障害に限らず,後遺障害の申請方法に悩まれた場合には,お気軽にご相談ください。
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