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弁護士桑田の活動日誌

2023年9月21日 木曜日

区分所有法改正の行方その3(ゴミ屋敷、ゴミ放置)

皆様、こんにちは、弁護士の桑田です。

今回も前回に引き続き、2024年に予定されている区分所有法の改正についてです。

前回は区分所有者が行方不明になったことによるデメリットへの対策を説明しました。今回は「区分所有者は住戸で生活しているが、その居住者の管理が悪く、ゴミ屋敷化していたり、住戸の前の廊下にゴミを放置したような場合」への対応です。

 

まずは、住戸内の管理に問題がある場合への対策として、管理不全専有部分管理制度の新設が予定されています。他の居住者や管理組合法人などが、裁判所に管理不全専有部分管理命令の発令を申し立て、認められれば管理不全専有部分管理命令が発令されます。

発令の要件は「区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害される恐れがある場合において、必要があるとき」です。どの程度に至れば要件に該当するのかは、事例を積み重ねる必要があります。

申立てが認められれば、管理不全専有部分管理人が選任され、ゴミの撤去などができるようになります。

 

次に、住戸前の廊下などに私物が放置されるなど共用部分の管理が不全な場合ですが、この場合に用意された制度が、管理不全共用部分管理制度です。管理不全専有部分管理制度同様、利害関係人が申し立て、認められれば管理不全共用部分管理人が選任され、住戸前の廊下に放置されているゴミを撤去できるようになります。

利害関係人は、主にマンション外の近隣住民が想定されていますが、他の組合員による利用もありうるとされているようです。

なお、典型例が「ゴミ関連」ですので、例示していますが、もちろん、ゴミに限らず、居住者による住戸や廊下などの共用部分の管理が悪い場合は広く対象となります。

これまでも、廊下にゴミを放置した居住者に対しては使用細則違反などで提訴して撤去を求めてきましたが、勝訴しても居住者が判決に従わないとさらに解決に時間を要するという問題がありました。ですが、管理不全共用部分管理人が選任されれば、放置したゴミを処分するなどの対応が可能になり、迅速な解決ができるようになるという利点があります。

 

このように区分所有法の改正によってさまざまな制度が用意されることが予想されます。

とはいえ、一般の理事長や理事の皆様には、専門的な法律の理解や手続を実行することは困難と思われます。

そのようなときは、弁護士桑田にお気軽にお声がけください。

丁寧に対応いたします。

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