弁護士桑田の活動日誌
2012年7月17日 火曜日
交通事故の後遺障害等級認定の手続
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは「交通事故で後遺障害を負った場合,誰が等級認定を請求するか」です。
後遺障害とは,「これ以上治療を継続しても症状の改善が望めない状態になったときに残存する障害」を指します。
自賠法では後遺障害を1級から14級(1級が一番重い)に分けており,等級が重いほど賠償額も高額になります。
ですから,被害者が自分の被害に応じた適切な等級を認定してもらいたいと思うのは当然です。
では,具体的には誰が等級認定を請求するのでしょうか。
以下の理由で,任意保険会社が認定を求めることが一般的です。
すなわち,もともと任意保険は,自賠責保険では支払いきれない損害額を上乗せして支払うものです。ですが,被害者が自賠責保険と任意保険の双方に請求するのは二度手間なので,任意保険会社が一括して支払うサービスを行っています。これを一括払い制度と言います。そして一括払いするには,後遺障害を負っているか,後遺障害何級なのかを知る必要があります。ですので任意保険会社が事前に後遺障害の有無などを確認します。これを事前認定と言います。
事前認定の場合,被害者による書類作成が不要なため便利な反面,任意保険会社は営利企業ですから賠償金の支払額を抑えたいため,積極的に後遺障害認定のための作業をしてくれるわけではありません。
そこで,被害者が直接損害賠償を請求する被害者請求という制度があります。被害者自身が手続を行うわずらわしさはありますが,被害者が積極的に後遺障害等級認定に関与できる利点は大きいです。
とはいえ,専門家ではない被害者自身で手続を行うことには限度があります。どうすれば適正な後遺障害認定が得られるかについては,後遺障害診断書の記載方法や意見書の書き方,レントゲン写真などの証拠の揃え方など,様々な専門的対応が求められますので,弁護士にご相談いただければと思います。
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