弁護士桑田の活動日誌
2012年7月18日 水曜日
マンション管理組合の理事長の解任
みなさん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,「独断専行する理事長を解任する方法」についてです。
私が法律相談を受ける際にも,非常に良くある相談の一つです。ということは,本来,適正に業務を執行すべき理事長が独断専行してしまうケースが残念ながら少なくないのです。
では,具体的には,どのようにすれば理事長を解任することができるでしょうか。
区分所有法25条1項は,総会決議により管理者を解任できると規定し,2項は「管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるとき」各区分所有者が裁判所に解任請求できると規定しています。
通常,「理事長を管理者とする」との規約がありますので,25条1項2項の適用あるいは準用により理事長を解任することになります。
総会決議による場合,区分所有者の5分の1以上かつ議決権の5分の1以上の合意で「理事長の解任」を目的とする臨時総会の招集を理事長に求めることになります。
ですが,通常,そのような求めに理事長が応じるとは考えられませんので,さらにその区分所有者自ら総会を招集して理事長の解任を決議することになります(区分所有法34条3項4項)。
もっとも,多数派が理事長に同調して,解任決議を否決される場合やそもそも5分の1以上の合意も得られない場合もあります。そのような場合でも,不正な行為等があれば裁判所に解任請求をすることができます。裁判は長期間を要するので,理事長の職務執行を一時停止して職務代行者の選任を求める仮処分を行うこともできます。
このような方法がありますが,裁判では決着に時間を要し費用負担も発生すること,裁判では不正な行為等の要件が必要であることなどから,可能であれば1項により総会決議で解任することが望ましいでしょう。
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