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弁護士桑田の活動日誌

2015年12月1日 火曜日

マンションの修繕費用等1億円回収の顛末

皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは管理費用,修繕費用の回収についてです。
実際に担当した案件について1億円を回収した経緯をご紹介します。

この案件の対象は住宅店舗複合用途型のマンションです。地主が土地を提供してマンションを建築し,店舗部分の区分所有権を所有する等価交換方式が採用されていました。

私が担当した当時は地主はいませんでしたが,店舗区分所有者は,地主が所有していた時代も含めて,管理費も修繕積立金も支払っていませんでした。「住宅と店舗は別々に管理してきたから,支払う必要はない」というのが,店舗区分所有者の理屈でした。ですが,区分所有者全体でマンションを管理する団体を構成するわけですから,この主張は通らないとの見通しを私は立てていました。

一方,管理組合の希望は,過去の管理・修繕費用のうち,店舗部分の区分所有者の持分に相当する費用を支払ってもらうことです。また,今後は店舗区分所有者も毎月管理費と修繕積立金を支払うこと,店舗部分にも対応した管理規約の変更も希望されていました。

そこで,私は,まず過去の管理費用,修繕費用として1億4000万円以上を請求する裁判を地裁に起こしました。裁判の中で,和解を通じて管理費,修繕積立金の設定や管理規約等の作成で合意するつもりだったのです。ところが,被告である店舗区分所有者は頑として和解に応じなかったため,結局判決に至りました。1億4000万円以上の請求が認容されるという私にとって100%近い勝訴となりました。

被告は予想通り控訴したので,その途中に地裁の判決に基づき被告が貸していた店舗の賃料月額約1000万円を差し押さえました。被告からすると生命線ですから9000万円の担保を積んで強制執行の停止をかけましたが,私から見ると,回収する賠償金の原資として9000万円分確保したことになります。
 
その後,控訴審の中で和解の話し合いを行い,今後,被告が管理費と修繕積立金を毎月管理組合に支払うことや管理規約の作成に協力することなどの条件を付けた上で,和解金を1億円とする和解が成立した次第です。

このように書くと万事順調のように見えるかも知れませんが,実際には非常に高額の請求であり,被告の抵抗も強く,3年の歳月と多数の紆余曲折がありました。管理組合の理事長を含め理事の方が一致団結して対応したことが,本件の成功の大きな要因であり,代理人としても大変感謝しています。

等価交換方式で建築された複合用途型マンションでは,このような問題がおこるケースがしばしば見られます。
そのような場合には遠慮なく桑田までお問い合わせ下さい。

その他のマンショントラブルについては以下をご参照下さい。
 マンショントラブル全般は
http://www.kuwata-lawoffice.net/manshon/
マンション住戸の目的外使用は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2013/03/post-47-466985.html
 マンション内の騒音問題は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/05/post-7-272598.html
 マンション内の水漏れ事故については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/08/post-31-328055.html
 マンション内での誹謗中傷については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-1-342591.html
 管理組合の理事長を解任する方法については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-25-310679.html
 マンションの構造などに欠陥がある場合の損害賠償は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-1-307678.html 
 マンション管理士については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2013/07/post-51-568373.html
 マンション管理組合や理事会と管理会社の間のトラブルについては
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2014/03/post-55-779280.html

投稿者 弁護士 桑田 英隆

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