弁護士桑田の活動日誌
2017年11月1日 水曜日
マンション裁判における弁護士費用の負担
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,マンション裁判における弁護士費用の負担です。
具体的には「トラブルを起こした区分所有者に対して,管理組合が裁判を起こした場合,その区分所有者に弁護士費用を請求できるか」という問題です。
まず,原則として,不法行為を除いて,弁護士費用は,それぞれの当事者が自分の依頼した弁護士の費用を負担することになります。
不法行為でも請求額の1割を弁護士費用とするのが概ね慣例ですから,通常は弁護士費用全額を請求できません。
ただし,マンションにおける裁判は別の考慮が働きます。
この点については,標準管理規約に記載があります。
標準管理規約は,第67条第3項で,区分所有者が規約や細則等に違反したとき,敷地又は共用部分等で不法行為を行ったときに管理組合が採れる手段の一つとして裁判を起こすことも規定しています。
その上で,次の第4項で「前項の訴えを提起する場合,理事長は,請求の相手方に対し,違約金としての弁護士費用及び差止めの諸費用を請求することができる」とあります。
そのため,マンションの裁判では管理組合の弁護士費用を相手方区分所有者に請求できる場合があるのです。
具体的に,どのような場合にいくらが認められるのかについてはいくつか裁判例がありますが,長くなりましたので,次回にお話ししたいと思います。
管理組合の皆様の中にも,クレーマーあるいはトラブル区分所有者に対して訴訟を提起したいと思いながら,弁護士費用が負担で裁判に踏み切れない方もいると思います。
その場合は管理規約をご確認下さい。もし,標準管理規約とは違って,弁護士費用を請求できる規定がなかったとしても,規約を改正した上で裁判を起こすことも考えられます。
いろいろな方法がありますので,ぜひ弁護士桑田までご連絡下さい。
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