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弁護士桑田の活動日誌

2021年2月25日 木曜日

所在不明の区分所有者への管理組合の対応

皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,区分所有者が行方不明になってしまった場合に,管理組合がどのような対応を採れるのか,ということです。
このテーマは,現在,多くのマンションで大変重大な問題となっているようで,当事務所にもしばしば持ち込まれる案件です。

区分所有者の所在が不明になり,連絡が取れないと,専有部分の維持管理ができないですし,総会での議決権の行使も期待できません。
また,このような場合には,管理費や修繕積立金が長期未納となっていることも珍しくありません。
管理組合としては住民票を取り寄せたり,緊急連絡先に問い合わせるなどして,何とか所在を確認したいところです。
では,手を尽くしても所在が確認できないときは,管理組合はどのような対策を取ることができるのでしょうか。

一つの方法としては,不在者財産管理人選任の申立てをすることが考えられます。
管理人が不在者の財産を保存して,不在者の代わりに専有部分の維持管理などをしてくれます。
もっとも,裁判所への申立てですので,書類作成が必要ですし,申立てから選任まで数か月を要します。
費用も数十万円程度を用意しなければいけませんので,ご注意ください。

もし,管理組合がその区分所有者に対して管理費等を請求する裁判を行いたいということでしたら,公示送達も考えられます。
本来,裁判を起こすには被告に対して訴状を送達しないといけませんが,所在不明が明らかな場合には,いつでも送達を受ける者に交付することを裁判所に掲示することで,送達したのと同様の扱いにする制度を公示送達と言います。
行方不明の区分所有者に対して裁判を起こしたいという場合には,公示送達も有効な手段となります。

このように,不在者財産管理人や公示送達を利用することを,管理組合ではご検討ください。

もっとも,管理組合や理事会の皆様では不在者財産管理人選任申立ての手続や公示送達の方法を十分にはご存じないと思います。
そのようなときは,弁護士桑田までお問い合わせください。

投稿者 弁護士 桑田 英隆

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