弁護士桑田の活動日誌
2021年4月19日 月曜日
仮差押解放金のメリットデメリット
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,仮差押解放金のメリットとデメリットについてです。
前回,預金口座に仮差押を受けた場合の概要について,ご説明しました。
そして,預金口座に仮差押をされたときの対処方法の一つとして,仮差押解放金を利用する方法が考えられます。
仮差押解放金とは,文字通り,仮差押から解放するために支払う金員のことを指します。
仮差押をされると預金口座からの引き出しができなくなりますが,仮差押解放金を供託することで,仮差押をの対象が仮差押解放金に移るので,預金口座が使えるようになるのです。
では,どのような場合に,仮差押解放金で処理することになるのでしょうか。
その流れですが,まず,自分の預金口座が使えなくなったことに気が付きます。
そこで,慌てて金融機関に問い合わせて,自分の預金口座が仮差押されたことが判明します。
それから数日後,裁判所から仮差押決定が届きます。決定書には,誰が差し押さえたのか,どのような債権を保全するために仮に差し押さえたのかが記載されています。
例えば,工事業者が,未払いの請負代金200万円を将来回収するために仮に差し押さえたというようなことが記載されています。
自分が商売をやって取引口座を開設していてその口座が仮差押えられた場合,金融機関は早急に仮差押の状態を解消するよう求めてくるものです。
その場合,すぐに相手方と和解できる状況なら良いですが,いつもそうとは限りません。
そのようなときにとりあえず預金口座の仮差押を解消するという点に仮差押解放金のメリットがあります。
具体的には,どのような手続を採ることになるのでしょうか。
まず,仮差押解放金の金額は,請求される債権の金額と同じです。先ほどの例では,200万円ということになります。
ここで注意が必要なこととして,仮差押された預金口座の残高が100万円しかない場合,当然,相手方が仮差押に成功できた金額は100万円です。
ですが,この預金口座を使えるようにするには200万円満額の仮差押解放金が必要なのです。この点がデメリットであり,逆に仮差押を申し立てた側としては想定以上の結果ということになるでしょう。
仮差押解放金という手段を選択するときは,この点を踏まえておくことが必要です。
具体的な手続ですが,まず,仮差押解放金を法務局に供託することになります。
その後,裁判所に仮差押の執行取消申立書を提出して,執行の取消しを求め,裁判所が執行処分の取消決定をだすことで預金口座が使えるようになるわけです。
このように,仮差押解放金による対応にはメリットデメリットがありますし,具体的な手続は一般の方には分かりにくいと思います。
そのようなときは,弁護士桑田にご連絡ください。迅速に対応して,早期の預金口座の解放を目指します。
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