弁護士桑田の活動日誌
2021年7月6日 火曜日
高次脳機能障害と後遺障害の等級(前編)
皆さん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,交通事故で高次脳機能障害を負った場合に,どのようにして後遺障害の等級が認定されるかについてです。
私はマンション関係の業務を多く扱っていますが,企業の顧問,離婚,相続なども扱っており,交通事故案件もほぼ常時,案件を担当しています。
その中でこのテーマを特に選択したのは,私が被害者の代理人をしている交通事故事件において,先日,3級3号が認定され,2000万円を超える保険金が入金されたためです。
高額の保険金の支払いを受けられましたが,その反面,等級認定の申請には多くの作業が必要であったことから,その経験をお伝えできたらということがきっかけです。
予備知識ですが,交通事故の治療を受けたけれども完全には治りきらないまま症状が固定した場合に後遺障害ということになります。
後遺障害は1級から14級に区別され,1級が一番重く,14級が最も軽度という扱いです(実際には14級でも相当な困難を伴いますが)。
後遺障害の等級は,加害者の任意保険保険会社又は被害者が自賠責保険会社に対して申請します。
等級によって支払われる保険金の金額は大きく変わりますので,いかにして適正な認定を取得するのか,ということが重要になります。
高次脳機能障害は後遺障害の一種で,交通事故などで頭部外傷を受け,記憶力や判断力の低下などの認知障害や攻撃性が多くなるなどの人格変性が生じることを言います。
骨折や失明などの身体の障害とは異なるため,認定が困難を伴うことが多いという特徴があります。
少し長くなりましたので,具体的な申請の方法については,後編に譲りたいと思います。
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