弁護士桑田の活動日誌
2023年7月19日 水曜日
マンションにおける異臭トラブルの解決方法
皆さん、こんにちは、弁護士の桑田です。
今回のテーマは、マンション内での異臭に関連したトラブルです。
実は、マンションでの異臭の相談は、皆さんが思ったよりも多いです。
住宅店舗複合用途型のマンションで、1階2階にある飲食店からの臭気が強く耐えられないといった例があります。
料理の特性でしょうか、中華料理店の臭気が問題となることが多いという印象です。
では、そのような臭気に対して、マンションの管理組合としてはどのような対策をとることができるでしょうか。
まず、本件のような場合、その臭気がマンションの住民にとって我慢する限度内かどうかという「受忍限度」内かどうかが争点となります。
そして、悪臭防止法が知事や市長、区長に規制地域を指定し許容限度を定めるなどして悪臭の規制基準を定めることを求めています。
そこで、管理組合は、その臭気を測定し、臭気指数を確認することから始めます。
臭気指数については、その測定を専門に行う業者がありますので、業者に依頼することになります。
そして、臭気指数が規制基準を超過している場合には、受忍限度を超えているとして、臭気の抑制や営業の停止を求めます。
それでも希望した対応が得られない場合には、区分所有法上の共同利益背反行為として、使用の差し止めのため提訴することになります。
仮に管理組合の理事会が対応に消極的で飲食店の直上階の住民が異臭のため被害を受けている場合にも損害賠償を求めることは考えられるでしょう。
ちなみに、異臭の発生源は飲食店に限りません。
以前、住民の一人が野放図に野良猫をベランダ伝いに自宅に入れ込むという、いわゆるネコ屋敷状態になっていたマンションの事件を対応したことがあります。
そして、野良猫の臭気によってマンション全体に強い悪臭が漂っていたことから臭気測定を行い、当該住民を退去させた経験があります。
とはいえ、臭気測定を伴った改善要求や提訴には、悪臭防止法の知識や区分所有法上の扱いなど、一般の方には対応が困難な場面が多々あります。
当職は前述のように臭気測定を利用した提訴を行った経験もありますので、異臭でお困りの際は当職にお気軽にご相談ください。
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