弁護士桑田の活動日誌
2023年7月31日 月曜日
妻の離婚準備/夫に知られず別居する方法
こんにちは、弁護士の桑田です。
今回のテーマは、妻側から見た離婚の準備の一つ、別居の方法についてです。
夫から日常的に暴力を受けている妻が、離婚の準備をするためにまず別居し、夫に行き先を知られないようにする、という例はときどき見られます。
その場合の対応は大変シビアなものになりますが、今回、私が取り扱った事件は、そこまで悪質なものではありませんでした。
ですが、夫から心無い発言を繰り返し受けていた妻は、離婚することを決めていました。
一方、夫は、自分の発言が妻を苦しめていることにも、妻が離婚したいと思っていることにも気が付いていません。
そのため、もし同居したまま離婚を切り出せば、夫が感情的になって離婚が難航することが予想されます。
何より、妻は、夫から一刻も早く離れたい、転居先は夫には秘密にしたいという強い希望を持っていました。
このような場合、どのような対応が考えられるでしょうか。
いろいろな手段があるとは思いますが、私は、相談者である妻と、綿密に計画を立てました。
妻が有職者ですぐに生活に困る立場にはありませんでしたので、ひそかに転居先の賃貸物件を見つけ、契約をします。
そして、夫に知られないよう、少しずつ、私物を転居先に運び入れ、最後は旅行であるかのようにふるまい、必要最低限の私物をもって別居することにしたのです。
もちろん、妻が帰ってこないわけですし、よくみると、妻の私物が減っているわけですから、すぐに夫に別居が露見することは明らかです。
そこで、別居した当日に内容証明郵便で、私が妻の代理人に就任したことを通知し、妻への連絡は一切行わずに私宛に連絡するよう、夫に申し入れました。
妻には(一般的には好ましくないことですが緊急避難的に)当面、住民票を移さないようにアドバイスもしています。
このように、準備をしたうえで夫と交渉を開始しました。
夫側もいろいろと感情を持っているのは当然であり、その心情を聞くのも妻側の代理人の大事な仕事です。
そして、その話を聞く中で徐々に離婚がやむを得ないことを理解してもらい、最終的には協議離婚が成立したという経緯です。
このように、離婚には微妙なやりとりを行わなければいけない場面が少なくありません。
また、当事者が直接やり取りをすると、かえって話がこじれてしまい、前に進まないということもよく見受けられます。
冷静な第三者として代理人が入ることはとても有益なことと考えています。
私も離婚の代理人は何度も経験しており、代理人活動の大切さは実感しています。
もし、離婚を考えられている場合にはいつでもお気軽に私にご相談ください。
真摯にご相談にのりたいと思います。
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