弁護士桑田の活動日誌
2026年9月29日 火曜日
マンション談合と損害賠償請求
皆様、こんにちは、弁護士の桑田です。今回のテーマは、大規模修繕工事で談合が発生した場合に、管理組合が業者等に対して行う損害賠償請求についてです。
令和8年9月29日の報道で皆様もご覧になられたかと思いますが、マンションの大規模修繕工事について談合が発生していたとして、公正取引委員会が排除措置命令等を出しています。
また、報道によれば、談合が行われた工事の件数は171件とのことであり、マンションの実名も公表されました。
当然、該当するマンションの管理組合は、談合を行った業者に対して、何らかの損害賠償を求めたいと思うはずです。
実際、過去の裁判例を見ると、一定額の損害賠償請求が認められた例がありますので、要件などを説明します。
まず、どのような法律構成が考えられるかについてですが、民法上の不法行為や独占禁止法に基づく請求が考えられます。
行為そのものの違法性については、すでに公正取引委員会の調査を経ている以上、相当程度、立証可能なものと思われます。
談合問題で最大の争点となるのは、損害の立証です。
基本的には、談合がなかった場合に想定される契約金額と、現実に締結された契約金額の差額が損害となります。
とはいえ、談合がなければいくらかの金額で契約できたのかを立証することは、相当な労力を要します。
民事訴訟法248条は、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所が相当な損害額を認定することができると定められています。
裁判例を見ると、この条項を利用して認定している状況がみられます。実際にどの程度の損害が認められているかはケースバイケースですが、裁判例では現実の工事金額の約5%程度を損害としている例が複数見受けられ、一つの参考になるものと思われます。
とはいえ、裁判所が自動的に損害を認めてくれるわけではなく、管理組合側は、相当な労力をかけて、談合がなかった場合に想定される契約金額を裁判所に提示する必要があります。
また、工事業者だけでなく設計コンサル業者も請求の対象とするかなど、法律的に検討すべき点は非常に多く、複雑になることが予想されます。
提訴するにしても、その前に業者と交渉をするにしても、理事会だけで行うには限界があると思います。
談合による損害賠償請求をご検討されている管理組合、理事会の皆様は、ぜひ弁護士桑田までご連絡ください。
懇切丁寧にご説明いたします。
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2026年9月25日 金曜日
ゴミ屋敷化した住戸への対応(区分所有法改正)
皆様、こんにちは、弁護士の桑田です。
今回のテーマは、マンションの住戸の中がゴミ屋敷となった場合の対応についてです。
区分所有法の改正で、ゴミ屋敷と化した住戸について、管理不全専有部分管理制度が新設されましたので、そのご紹介です。
廊下に住民のごみが放置されていることへの対応は何件も扱っており、ブログにも記載したことがあります。
一方、「廊下にゴミが放置されている場合」というのは、これまでの経験からすると「住戸内に収まりきらず、廊下にゴミがあふれ出た」というケースがほとんどです。
そして、これまでは、住戸内は、その区分所有者の管理範囲内ということで、管理組合や理事会は簡単にはゴミの撤去はできませんでした。
ですが、住戸内にゴミが充満していると、悪臭を発したり、ゴキブリが大量発生するなど、共用部分に影響を与えかねません。
そこで、令和7年区分所有法改正で「管理不全専有部分管理制度」が新設されました。
具体的には、管理組合などの利害関係人が、裁判所に対して「管理不全専有部分管理命令」の発令を請求します。
その請求が認められれば、管理不全専有部分管理人が選任され、ゴミを撤去してもらうことも可能となります。
管理不全専有部分管理人の管理に必要な費用や管理人の報酬は、管理不全専有部分の所有者が負担することとされています。
標準管理規約67条の5の4項などでも同様の記載がされています。
このように、ゴミ屋敷と化した住戸への対応が区分所有法の改正で整備されたことは、管理組合にとって、非常に有益です。
一方、管理人の選任には裁判所への申立てが必要であり、一般の方には難しい面があります。
また、管理人が選任されるには「他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害される恐れがあること」を立証する必要があります。
このような立証も簡単ではありません。
そこで、ゴミ屋敷対策でお困りの管理組合、理事会の皆様には、ぜひ弁護士桑田までご連絡ください。
懇切丁寧に対応方法についてご説明いたします。
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2026年9月10日 木曜日
管理規約改正の好機です!
皆様、こんにちは、弁護士の桑田です。
今回のテーマは、区分所有法の改正によって大きく影響を受ける、管理規約の改正についてです。
区分所有法の改正によって、これまで管理規約を改正することが困難な管理組合でも、規約改正の可能性が大きく広がりました。
従前の区分所有法では規約の変更は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数」の賛成が必要でした。
ですので、総会に出席したかどうかにかかわらず、全組合員の4分の3の賛成を得ないといけませんでした。
ですが、改正により「区分所有者の過半数の者であって議決権の過半数を有する者が出席、出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数」の賛成で足りることになります。
つまり、過半数の組合員が出席して入れば、出席した組合員の4分の3以上が賛成すれば規約を変更できるようになったのです。
これまで規約の改正が困難な管理組合の典型例が、一定数の住民が総会に興味がなく、4分の3の賛成が集まらない場合です。
ですが、今後は、委任状や議決権行使書も含めて過半数の出席を得られれば、その4分の3で規約を改正できます。
これまで規約の改正は困難とあきらめていた理事会の皆様も、ぜひこの機会に規約改正に挑戦してみてください。
とはいえ、規約を改正する総会を開くには、事前準備や出席票の集め方など、一般の方には難しい面もあります。
そもそも規約の内容をどう改正するのが最適かも判断は困難な面があると思います。
そのような場合は、ぜひ弁護士桑田までお問い合わせください。懇切丁寧にご説明いたします。
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2026年9月8日 火曜日
管理組合で立ち向かう騒音問題
皆様、こんにちは、弁護士の桑田です。
今回のテーマは、マンション内の騒音を管理組合として解決する方法です。
騒音は、漏水と並んで、突出して件数が多い相談ですが、簡単には解決できない問題です。
一般的には上下階など住民間でトラブルになることが多いですが、小規模のマンションで、マンション全体で騒音の被害に遭っている例があります。
今回は、個々の住民ではなく、マンション全体の被害について、管理組合として対策に取り組み場合の具体的な方法について解説します。
まずは、廊下などの貼り紙での注意喚起、騒音に注意してほしいと記載したチラシをポスト投函するなど、自発的に騒音を停止してもらう方法が考えられます。
理事長などが直接、騒音を出している住戸を訪問して騒音を停止するよう説得する場合もあります。
これで騒音が収まれば一安心というところでしょう。
ですが、弁護士に相談に来るようなケースでは、通常の手段は尽くしても、どうしても騒音が収まらないという場合です。
では、そのような場合には、どのような方法を取ることが考えられるでしょうか。
このような場合、例えば、弁護士名義で内容証明郵便を利用して強く騒音の抑止を要請する方法が考えられます。
管理組合名義の通知より、弁護士名義での要請の方が騒音を抑止する効果は高い場合があります。
ですが、それでも騒音を止めない場合には、騒音を発生させる行為が共同利益背反行に該当するとして、区分所有法57条以下の規定を利用して、騒音発生行為の差止、当該住戸の使用禁止、当該住戸の区分所有権の競売を請求することが考えられます。
前提として、共同利益背反行為と言えるには、マンション全体として騒音被害を受けていることが必要です。単に上下階とか左右階のみですと、共同利益背反行為には該当しないことになりますので、ご注意ください。
次に、マンション全体の問題であるとしても、提訴するには、一定の準備が必要です。やはり、騒音の音量を確認する(何デシベル出ているのか)ため、測音調査が必要になります。
また、その他にも、マンションの住民の多くが被害を受けていることを立証するため、例えば、住民の陳述書や過去の理事会での騒音の記録など、様々な証拠を集める必要があります。
それらの証拠を用意したうえで、騒音の発生の差止や騒音を発生させる住民の住戸の使用禁止を求めたり、当該住戸の区分所有権を競売に欠けることを目的とした提訴を行います。
このように説明をしましたが、一言で測音調査と言っても、単にスマートフォンで音を測ればよいというわけではなく、適切な測音機器を利用することができます。
ですが、測音機器をレンタルするのも慣れていないと簡単ではないですし、レンタルしても、適切な方法で測音することが必要です。
それらの作業は一般の方には困難でしょうし、騒音の差止を求めればよいのか、それとも使用禁止や競売までできるのか、といった要件の見極めも必要になります。
ですので、騒音問題でお困りの際には、ぜひ弁護士桑田までご相談ください。
管理組合で行うべき騒音対策について、丁寧にご説明いたします。
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