弁護士桑田の活動日誌
2012年8月14日 火曜日
マンションでの水漏れ事故の責任
みなさん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマはマンション内で水漏れ事故です。水漏れの被害を受けた住人は誰に対して責任を追及できるのでしょうか。
このことを考えるには「水漏れの原因は何か」「どこで発生した水漏れか」を検討することが必要です。
水漏れの原因は,建築時の工事の欠陥,風呂や洗濯機の水栓の閉め忘れ,排水管の詰まりなどが考えられます。
発生場所で見ると,専有部分の水漏れは区分所有者あるいは賃借人に責任を問える可能性があります。一方,共用部分の水漏れは管理組合の責任が問題になります。なお,水漏れ箇所が共用部分,専有部分のどちらか分からない場合は,共用部分の不具合に原因があると推定されます(区分所有法9条)ので,反証できない限り管理組合の責任となります。
具体的に検討してみましょう。
まず,水漏れの原因がマンション建築当時の設備工事であれば分譲主への瑕疵担保責任の追及になります。
専有部分について人為的原因で水漏れが発生した場合には,水漏れを起こした区分所有者あるいは賃借人が責任を負うことになります。
共用部分について配水管の清掃が不十分などの理由で水漏れが発生した場合は管理組合が責任を負うことになります。
もっとも,「水漏れの原因が設備工事か設備の老朽化か」や「どこで水漏れしているか」の判断に迷うことは多いです。そのような場合には技術的な検査も必要となるでしょうから,お気軽にご相談下さい。
その他のマンショントラブルは以下のページをご覧下さい。
マンション内の騒音問題は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/05/post-7-272598.html
マンション内のペットトラブルについては
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-37-348244.html
マンション内での誹謗中傷については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-1-342591.html
管理組合の理事長を解任する方法については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-25-310679.html
マンションの構造などに欠陥がある場合の損害賠償は
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-1-307678.html
マンショントラブル全般は
http://www.kuwata-lawoffice.net/manshon/
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|2012年8月3日 金曜日
交通事故と健康保険,労災保険
みなさん,こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,「交通事故と健康保険,労災保険」です。
そもそも,交通事故の治療に健康保険は利用できるでしょうか。
医療機関の中には健康保険を使うことに消極的なところもあるようです。
ですが,交通事故でも健康保険を利用することはできますし,一般的には利用すべきでしょう。自由診療の単価は高額になりやすく,自賠責保険の保険金の大半が治療費に充てられてしまう場合が見受けられるからです。
では,健康保険と労災保険はどのように使い分けることになるのでしょうか。
一般的には「勤務中の交通事故には労災保険」「それ以外は健康保険」の対象となります。
また,「労災保険と自賠責保険のどちらを利用すれば良いか」という質問もよく受けます。
一般的には,自賠責保険を使うことが多いようです。労災保険では認められない慰謝料が認められること,休業損害も労災保険では60~80%しか補填されないのに対し100%補填されるからです。
もっとも,自賠責保険の傷害保険金は120万円が上限であるのに対し労災保険は上限がないこと,過失が大きくても労災保険は減額されないが自賠責保険では減額されてしまうなど,労災保険が有利な場合もあります。
交通事故の被害内容に合わせてケースバイケースで検討しなければいけないところなのです。
なお,自賠責保険を使わず労災保険を使用した場合,労災保険から自賠責保険に求償されることになります。そのため,治療費などで120万円全額求償されてしまうと,被害者は自賠責保険から傷害慰謝料の支払を受けられなくなることに注意が必要です。
その他,交通事故のご相談は以下をご覧下さい。
弁護士特約の利用については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-19-301786.html
後遺障害の等級認定については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/07/post-24-309253.html
示談あっせんする機関については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/09/post-32-342968.html
交通事故の保険と労災保険,健康保険の関係については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/08/post-30-320861.html
交通事故と時効の関係については
http://www.kuwata-lawoffice.net/blog/2012/06/post-14-294651.html
その他の交通事故全般のご相談については
http://www.kuwata-lawoffice.net/jiko/
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